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五三焼を集大成にするカステラ職人・伊藤代二さん
2010.4.29(木) 毎日新聞

◇生地と対話し、焼き上げ--伊藤代二さん(72)=南島原市

 カステラの最高級品とされる五三焼(ごさんやき)。名前の由来は、原料の割合である「卵黄5、卵白3」からなどが発祥といわれる。普通のカステラより卵黄と砂糖を多く、小麦粉を少なくするため、焼き上げるのに高度な熟練の技が求められる。長崎市の各老舗でも五三焼ができる焼き手は1店に数人いるかいないかだという。

 16歳からカステラを焼いてきた。その集大成を見せたいと思ったのは70歳目前のころ。2男1女は跡を継がなかった。「このままで終わりたくない。生きとううちに『ああ、あそこのカステラおいしいな』と言われるのを焼いてみたくなった」

 思い出したのは、既に他界した父から20代のころ教わった五三焼のレシピ。特別な注文があった時だけ祖父が焼いていたのを覚えていたらしい。

 ところが生地作りから苦しむ。「レシピ通りにしても、納得のいくものにはならなかった」。生地を膨らませる卵白が少ないため、焼いてもなかなか厚みが出ない。さらに、焼きは180度から250度まで温度を上げていくが、オーブンから取り出すタイミングの時間幅は狭く、温度や湿度によっても微妙に変わる。「そこを見分くっとが難しい。生地は生き物ですから、生地と対話しながら焼きます」

 和三盆糖を加えて後口の良さを工夫し、ようやく濃厚なしっとり感を出せるようになった。今春から週2日、1日10本焼き、販売している。

 「長崎市の老舗以上のものを焼かないと気が済まない」。闘志が燃える。【古賀亮至】

 ★プロフィル
 1867年創業の和菓子店「須崎屋」(0957・82・2855)の5代目。五三焼は1本(450グラム)1800円。




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